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熱伝導

1/1

出典: フリー百科事典『)』

熱伝導(ねつでんどう、Conduction of heat, Thermal conduction)は、物質の移動を伴わずに高温側から低温側へが伝わる(移動する)こと。熱伝導は、フォノン及び伝導電子が担う。特に、金属においては、伝導電子が熱伝導の主要な担い手である。通常の物質では伝導電子による寄与の方が大きいので、金属は半導体絶縁体(フォノンが主要な熱伝導の担い手)よりも熱伝導性が良い。しかし、非常に硬いダイヤモンドではフォノン(格子振動)を介した熱伝導性の寄与の方が非常に大きくなる。

ヘリウム超流動状態になると熱伝導性が非常に高くなる(超流動の項を参照)。

[編集] 熱伝導率

単位時間に単位面積を流れる熱流(熱流束密度)を J とし、エネルギー密度をρEとすると、エネルギー保存則と連続の方程式より、ρEJには、

 {\partial \rho_E \over {\partial t}} = -\rm{div} \mathbf{J}

の関係が成り立つ(tは時間)。更に、Jは、温度をTとして、分子論的熱緩和時間より十分長い時間(定常状態と見なせる時間)領域での現象に対して、

 \mathbf{J} \,= - \lambda \rm{grad} T

で表される。これはフーリエの法則と言われる。gradTは温度の勾配で、熱流束密度Jは温度の勾配に比例する。この時の比例係数λを熱伝導率(Thermal conductivity)という。熱伝導率は熱伝導度ということもあり、そのSI単位は \rm{W/(m \cdot K)} であり,場合によって \rm{W/(cm \cdot K)} が使われることもある。また、熱伝導率の逆数、1/λを熱抵抗率という。
3次元系での熱伝導率はテンソルで表現される。

単位体積当たりのエネルギーの増加率は単位体積あたりの熱容量CVを使って、

 {\partial \rho_E \over {\partial t}} = C_V {\partial T \over {\partial t}}

で表現される。以上から、

 C_V {\partial T \over {\partial t}} = - \rm{div} \mathbf{J} = - \rm{div} (- \lambda \rm{grad} T) = \lambda \nabla^2 T = \lambda \Delta T

を得る。これは熱伝導方程式と言われ、拡散方程式の形をしている。λ / CV熱拡散率(温度伝導率)と言う。(ここでCVは単位体積あたりの熱容量である。比熱容量は単位質量あたりの熱容量であるので、熱拡散率は熱伝導率を比熱容量と密度で除算した値を意味する)

一般に、金属(←熱伝導は主に伝導電子が担う)の熱伝導率λは、極低温を除いた温度域では温度Tに比例して大きくなる。絶縁体(←熱伝導は主にフォノンが担う)の熱伝導率は、極低温において温度Tの3乗に比例して大きくなる。ガラス(非晶質)などの熱伝導率は、極低温では温度Tの2乗に比例する。

一方、気体での熱伝導率は温度の上昇により大きくなるが、液体では逆に温度の上昇により熱伝導率は減少する。

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