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1/18

出典: フリー百科事典『)』

白金 - - 水銀
Ag
Au
Rg
Au-TableImage.png
一般特性
名称, 記号, 番号金, Au, 79
分類遷移金属
, 周期, ブロック11 (IB), 6 , d
密度, 硬度19300 kg·m−3, 2.5
単体の金色
金
原子特性
原子量196.966569(4) u
原子半径 (計測値)135 (174) pm
共有結合半径144 pm
VDW半径166 pm
電子配置[Xe]4f14 5d10 6s1
電子殻2, 8, 18, 32, 18, 1
酸化数酸化物3, 1(両性酸化物
結晶構造面心立方構造
物理特性
固体 (反磁性)
融点1337.33 K
(1064.2 , 1947.5 °F)
沸点3129 K
(2856 ℃, 5173 °F)
モル体積10.21 × 10−3 m3·mol−1
気化熱334.4 kJ·mol−1
融解熱12.55 kJ·mol−1
蒸気圧0.000237 Pa (1337 K)
音の伝わる速さ1740 m·s−1 (293.15 K)
その他
クラーク数5×10-7 %
電気陰性度2.54 (ポーリング
比熱容量128 J·kg−1·K−1
導電率45.2 × 106 m-1·Ω-1
熱伝導率317 W·m−1·K−1
イオン化エネルギー第1: 890.1 kJ·mol−1
第2: 1980 kJ·mol−1
(比較的)安定同位体
同位体NA半減期DMDE/MeVDP
195Au{syn.}186.1 ε0.227195Pt
196Au{syn.}6.183 日ε
β-
1.506
0.686
196Pt
196Hg
197Au100%中性子118個で安定
198Au{syn.}2.695 日β-1.372198Hg
注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。

(きん、Aurum Gold)は第11族元素に属する金属元素貴金属の一種であり、単体の金属として古くから知られてきた。元素記号Auであり、これはラテン語の「光るもの」 aurum に由来する。

柔らかく、可鍛性があり、重く、光沢のある黄色(金色)をしており、展性に富み非常に薄くのばすことができる遷移金属である。「こがね/くがね黄金:黄色い金属)」とも呼ばれる。同族のが比較的反応性に富むこととは対照的に、標準酸化還元電位に基くイオン化傾向は全金属中で最小であり反応性が低い。熱水鉱床として生成され、そのまま採掘されるか、風化の結果生まれた金塊や沖積鉱床砂金)として存在している。

金は多くの時代と地域で貴金属としての価値を認められてきた。化合物ではなく単体で産出されるため装飾品などとして人類に利用された最古の金属である。と共に貨幣用金属の一つであり、貨幣金貨)として使用され、流通してきた。ISO通貨コードでは XAU とあらわす。また、歯科医術、エレクトロニクスなどの分野で様々な利用方法が応用されてきている。

目次

[編集] 性質

金は単体では金色と呼ばれる光沢のある黄色い金属であるが、非常に細かい粒子状(コロイド)にするとルビー色に見える場合があり、時には色になる。これらの色は金のプラズモン周波数によるもので、主に黄色と赤を反射し青を吸収する。このため、薄い金箔を光にかざすと、反射と吸収の谷間にあたる緑色に見える。

展性・延性に優れ、最も薄くのばすことができる金属であり、1グラムあれば数平方メートルまでのばすことができ、長さでは3000メートルまで伸ばすことができる。平面状に伸ばしたものを「金箔」(きんぱく)、糸状に伸ばしたものを「金糸」(きんし)と呼ぶ。豪華な衣装を作るために、金糸は綿など一般的な繊維素材と併用される。

他の金属と溶け合いやすいため、混ぜて合金とすることが容易である。これにより他の金属の伸長性が増し、変化に富んだ色の金属を作ることができる。との合金は赤く、は緑、アルミニウムは紫、白金は白、ビスマスが混ざった物では黒味を帯びた色調になる。自然に存在する金には通常10%程度の銀が含まれており、20%を超える物はエレクトラム、青金または琥珀金と呼ばれる。さらに銀の量を増やして行くと色は次第に銀白色になり、比重はそれにつれて下がる。

金は熱伝導電気伝導ともに優れた性質を持ち、空気では浸食されない。熱、湿気酸素、その他ほとんどの化学的腐食に対して非常に強い。そのため、貨幣の材料や装飾品として古くから用いられてきた。ハロゲンは金と反応を起こし、王水ヨードチンキは金を溶かすことができる。

Au + HNO3 + 4 HCl → H[AuCl4] + NO + 2 H2O

また強力な酸化作用を有する熱濃セレン酸水溶液にも溶解する。さらに酸素の存在下でシアン化物の水溶液に錯体を形成して溶解し、この反応は金鉱石から金を抽出するために応用されている。

4 Au + 8 NaCN + O2 + 2 H2O → 4 Na[Au(CN)2] + 4 NaOH

金で安定な原子価は +1(金(I))、+3(金(III))であり、化合物あるいは水溶液中においてAu3+など単純な水和イオンは安定でなく、[Au(CN)2]および[AuCl4]など主に錯体として存在する。AuClなど1価の金化合物はシアノ錯体を除いて一般的に水溶液中で不安定であり不均化しやすい。

3 AuCl + H2O → H[Au(OH)Cl3] + 2 Au

また金化合物は一般的に熱力学的に不安定であり、光の作用により分解し、単体の金を遊離しやすい。合金中において金はイオン化したとしても直ちに他の金属によって還元され、添加された金属は酸化される。

[編集] 利用の歴史

金(サンスクリット語:jval, ギリシャ語χρυσός [khrysós], ラテン語:aurum, ドイツ語:Gold)は有史以前から貴重な金属として知られていた。おそらく人類が装飾用として用いた初めての金属である。 金は紀元前3000年代に使われ始めた。最古の金属貨幣は紀元前7~6世紀にリディアでつくられたエレクトロン貨で、天然の金銀合金に動物や人物を打刻している。 金は中国で時代に已に装飾品として使われ、春秋戦国時代には貨幣や象嵌材料として使用された。日本では弥生時代に福岡県志賀島の「漢委奴国王[1]」金印がある。古墳時代には奈良県東大寺山古墳出土の「中平」銘鉄剣や埼玉県稲荷山古墳出土の「辛亥」銘鉄剣など、鉄地に線を彫って金線を埋め込んだ金象嵌がある。

古代エジプトヒエログリフでは、紀元前2600年頃から金についての記述が見られる。ミタンニの王トゥシュラッタが、通常は粒として請求をしている。エジプトとヌビアは、史上でも有数の金産出地域である。旧約聖書でも、金について多く触れられている。黒海の南西部は、金の産出地として名高い。金を利用した物としては、ミダスの時代にまでさかのぼると言われている[誰?]。この金は、紀元前643年から630年のリディアでの、世界で初めての貨幣成立に大きく影響を及ぼしたと言われている[誰?]

ヨーロッパのアメリカ探検家達による金の強奪は、当時のアメリカ先住民達が持っていた金の量から見ても膨大な量に上った。とくに中央アメリカペルーコロンビアを原産とする物が多い。

歴史上の評価を総括するならば、金は最も価値のある金属と考えられてきた。そして多くの通貨制度において、その基準とされてきた(金本位制)。また純粋、価値、特権階級の象徴としてもとらえられてきた。金の採掘は比較的容易であり、1910年からこれまでに、究極可採埋蔵量のうち75%ほどの金が産出されてきたと考えられている。地質学的に、地球上にある採掘可能な金の埋蔵量は、一辺が20メートルの立方体に収まる程度と考えられている。


初期の科学者達の目指した目標は、水銀など他の物質から金を作り出す錬金術だった。金を生み出すことができる物質は賢者の石と名付けられ、賢者の石を作ることに多くの努力がなされた。その試みの全ては失敗に終わったが、その過程で発見された多くの事象を元にして、今日の化学は成り立っている。現代では、金を始めとする貴金属原子の合成は、加速器などを用いて、他の元素から核種変換することで可能なことが分かっている。

錬金術師達は、中心に点が描かれた円の記号で金を現していた。これは占星術の記号でもあり、エジプトのヒエログリフ、および初期の漢字では太陽を現す記号としても用いられた。

19世紀のゴールドラッシュ以降、カリフォルニア州コロラド州、オタゴ、オーストラリアサウスダコタ州ブラックヒルクロンダイクなどで大きな金の鉱脈が発見されてきた。

[編集] 用途

金は金属としては非常に軟らかい物質であり、通常は、その他の金属と鍛錬されて用いられる。金とその他の金属の合金は、その見栄えの良さや化学的特性を利用して指輪などの装飾品として、また美術工芸品や宗教用具等の材料として利用されてきた。 さらに貨幣、または貨幣的を代替する品物として用いられてきた。

フィクションの世界では金製品の武具が多く登場するが、現実には特殊な使用法を除いて殆ど実戦に役立つ物では無い(軟らか過ぎ、重過ぎる、と言う特性の為、武具の素材としては不適切、良くて装飾程度)ただし富の象徴と力の象徴として飾られていた事はある。

[編集] 工業用品としての利用

金は、前述のような耐食性、導電性、低い電気抵抗などの優れた特性を持ち、20世紀になってからは工業金属として様々な分野で使用されている。近年では、廃棄された工業用品(おもに携帯電話)を溶解し、金などの希少金属を抽出する事業(いわゆる都市鉱山)も展開されている。

  • 電気抵抗が小さく、延性が高いためコンピュータCPU)などの回路、電子部品のワイヤボンディングなどに用いられる。
  • 高い導電性と酸化による腐食に対する強い耐性から、表面を金メッキしたものは年月を経ても錆びないため、電子部品の電導体やコネクタの部品として広く利用されている(のほうが導電性は高いが、空気中では表面に硫化物を生成して導電性が低下するため、金のほうがコネクタの材料としては優れている)。
  • 歯科の治療に用いる歯冠として古くから利用されている。
  • 多くの競技や賞の賞品メダルの材質の一つとしても用いられている。オリンピックの優勝メダル(金メダル)、ノーベル賞など。も同様に使用される。
  • コロイド状金(粒状金)は、非常に強烈な色素として多くの研究室で応用が研究されている。
  • 金は触媒として広く利用されている。金は表面化学の研究の進展により主に単結晶表面での反応性が調べられ、極めて不活性であると考えられてきた。しかし、春田正毅らによって、金の粒子径(1-10nmでの)制御により一酸化炭素を-78℃の低温下でも二酸化炭素に酸化できるという発見および酸素水素混合ガスを酸化剤に用いてプロピレンを選択的にエポキシ化できるという発見がなされてから一転、金触媒ブームが巻き起こった[2]。また、金の様々な合金はこの分野で作られたのが初めである。
  • 金の放射性同位体 Au-198(半減期2.7日)はいくつかのの抑制治療に用いられている。
  • 生物学分野では、走査型電子顕微鏡で用いる生物のコーティング材として用いられている。
  • 可視光、非可視光ともによく反射するため、人工衛星の保護剤として全体に貼られている。
  • 同様の性質を利用して、宇宙飛行士船外服ヘルメットバイザーに薄膜として蒸着させることで紫外線を防ぐことが可能である。
  • 鍼治療用として、金を含む材質の鍼が製造されている。一般的なステンレスの鍼に比べて高価なため、金の鍼を使うのが効果的とされる特異な症状に対してコスト面で折り合いがつく場合に用いられる。
  • フルートをはじめとした管楽器などの材質(管やキィ部分)に用いられる。一般的である洋銀、銀よりも響きが豊かになる。

[編集] 通貨・投資対象としての利用

流通目的の金貨として利用する場合は、単体では軟らかすぎる、あるいは金地金を充分に用意できないなどの理由で、銀や銅など他の金属と混ぜた合金として利用されてきたが、最近の主に投資目的の地金型金貨においては純金製のものが一般的になっている。日本でも江戸時代には小判一分判などの金貨が流通していた。明治時代になっても、金は銀行が発行する紙幣との交換が可能で、その価値が保証されていた(兌換貨幣、金本位制日本の金貨を参照)。

現在は、紙幣との交換はできないが、今なお各国の中央銀行が支払準備金として金を保有している。また、証券会社銀行や貴金属専門業者、商品先物取引業者等で、金を投資対象とする金融商品(金貯蓄口座純金積立など)が取り扱われている。金本位制が崩壊した今も、(恐らくはその名残として)貨幣のような価値をまだ認められていると考えられる。

他の貴金属と同様、金も取引の際にはトロイオンス、またはグラム建で価格が決定される。他の金属との合金になっている場合、カラットを用いて金がどの程度含まれているのかを示す。(純度に関しては当該項目を参照のこと)

金の価格は、公開された市場取引によって決められる。しかし実際は1919年に始まったロンドンでの値決めによって日に2回、金の価格決定が行われる。2009年現在、ロンドン渡し金価格を決定するThe London Gold Market Fixing Ltd.を構成しているメンバーはバークレイズ(子会社のバークレイズ・キャピタルが加入)、香港上海銀行(HSBC)、バンク・オブ・ノヴァ・スコシア(子会社のスコシア・モカッタ Mocatta が加入)、ドイツ銀行ソシエテ・ジェネラルである。1919年のLondon Gold Market Fixing創設以来のメンバーであったN・M・ロスチャイルド&サンズは2004年に辞任している。

歴史的には、貨幣の価値によって同等の重さの金と交換できる金本位制として知られる、経済システムの裏を支える物として使われてきた。この方式では、政府および中央銀行は、通貨と金の交換価値を定めることになる。長い間アメリカ合衆国では1トロイオンスを$20.67($664.56/kg)で交換可能としていたが、1934年に1トロイオンスあたり$35.00($1125.27/kg)とし、1961年には経済力に対して金が不足し、価格の調整が困難になった。

1968年3月7日、金を背景とした経済環境は崩壊し、国際取引単位である1トロイオンスあたり$35.00($1.13/g)と個人間取引の変動価格の二段階の価格が設定された。この方式は1975年には破綻をきたし、金は自由取引されるようになった。中央銀行は歴史的理由から価値が下がってはいるが、金を保有し続けている。最も多くの金を保有しているのはアメリカ合衆国連邦準備制度下の各連邦準備銀行である。

1968年以降、公開市場での金の価格が大きく動く。最高値は2008年3月17日に$32,713/kg($1,017.50/oz)を記録し、2008年3月現在引き続き歴史的な高値圏にある。最安値は1999年6月21日に$8,131/kg($252.90/oz)である。金の価格は比較的安定した貨幣によって定められ、米ドル建で決定され各国通貨に換算される。

[編集] 装飾品としての用途

金属塊として指輪やブローチなど、線状にした金は刺繍に用いられる。金箔としての利用も見られる。金箔は飲料や料理の食材としても用いられる。金は味や栄養に影響しないが、主に華やかに見えるという点から、祝典での料理や酒類に加えられている。金粉を食品に塗したり、薄片を酒に混ぜるなど。金は通常錆びることがなく、アレルギーの発現率も極めて小さいことから、アクセサリーとして手入れしやすく安心して身につけられることも人気の理由となっている。

金はやわらかい物質であるため、純度100%では装飾品として機能しづらい。そこでほとんどの場合、別の金属との合金によって装飾品を作る(純度に関しては当該項目を参照)。装飾品では18Kや14Kが一般的である。混ぜる金属の種類や配合率によって色が変わる。一般的なものは次の3つである。実際の色については外部リンク(色見本)を参照されたい。

イエローゴールド
18Kの場合、金75%、15%、10%が一般的である。一般的に認知されている金色に近い。銀の割合が多く青みを帯びた淡黄色のものはグリーンゴールドと呼ばれている(別名「青割」)。
ピンクゴールド
18Kの場合、金75%、銀10%、銅15%が一般的である。ややピンク色を帯びた金で、工場によってはさらに他の金属も混ぜてピンク色を濃くする。別名「赤割」。レッドゴールドまたはローズゴールドとも呼ばれる。
ホワイトゴールド
18Kの場合、金75%、銀15%、ニッケルまたはパラジウム10%が一般的。黄色と白の中間色に近い色になる。パラジウム割のほうが高価であるが、ニッケルがアレルギー源になる恐れがあるため、国産はほとんどがパラジウム割である。プラチナの代用品として装飾品によく用いられている。

このほか、18Kホワイトゴールドにプラチナを含ませ、黒っぽい外観を特徴とするブラックゴールドもある。

[編集] 純度

金の純度は、24分率で表される。その場合、純金は24金、24カラット(Karat)、あるいは、K24と表す。そして、金の含有率に従い数値を変えていく。例えば、18金は金の含有率が18/24、すなわち75%であることを表す。なお、このカラットは宝石の重量を表すカラット(carat)とは異なるものである。

日本では99.99%以上の純度の金を24カラットと表示して良いことになっている。

このほか、純金の度合いを0.995などのように0から1の間の数値で表すこともある。

[編集] 金鉱床

カリフォルニア産(上) オーストラリア産 (下)八面体型をしている

銅や亜鉛などは、酸化物および硫化物といった形で化合物として産出されることが多いが、金は主に自然金(しぜんきん、native gold、金の単体)として得られることがほとんどである。また金は、火成岩中にも極微量に含まれる。ただし、採算が取れるほど固まって産出されるのはまれであるため、などの精製過程における副産物として通常は得られる。金鉱山として金を産出する場合は、金の鉱脈にそって掘っていく。そのほかに、金を含む鉱石が風化した、砂状のものをより分ける砂金掘りの方法もある。

通常金は石英、まれに硫化物の鉱脈の中に存在する。硫化物では黄鉄鉱黄銅鉱方鉛鉱閃亜鉛鉱硫砒鉄鉱輝安鉱磁硫鉄鉱などの鉱脈に含まれていることが多い。非常に稀であるがペッツ鉱カラベライトシルバニア鉱ムスマン鉱ナギヤグ鉱クレンネル鉱などの鉱脈に含まれていることもある。

金鉱石

金は地球全体の地殻内に広く分布して存在しており、存在比は0.003g/1000kg程度(0.003ppm)である。熱水鉱床変成岩火成岩のなかに生成し、これが風化し堆積することにより漂砂鉱床砂鉱床などができる。

金の一次鉱脈は、主に火成岩か砂金の形で金が産出する場所である。通常の鉱脈は採算の点から金以外の鉱脈内を伴った鉱山で金が採掘されるところが多い。溶解や浸食といった化学的、物理的作用や変成作用を受けずに石英や硫化物内に集結している。金の一次鉱脈にはいくつもの種類があり、よくある鉱脈はリーフ又はベインと呼ばれる。一次鉱脈は風化や浸食されていることもあり、その場合金は小河などに流されるなどして重い鉱物の漂砂鉱床に集まっている。いずれの場合も金は単独で存在している。もう一つ重要な鉱脈は堆積頁岩または石灰岩の鉱脈で、これはまばらに金やプラチナなどの金属とともに散在する形で存在する。

また、海水中にも金は含まれており、その割合は1000kgあたり0.1から2μg(1×10−4 ~ 2×10−3ppb)程度である。

[編集] 金鉱山

オーストラリア、ビクトリアにある金鉱山の入り口

経済的に金鉱山と言える物は平均して1000kgあたり0.5gの金を産出する必要がある[要出典]。典型的な鉱山では、露天掘りで1-5g/1000kg(1-5ppm)、通常の鉱山で3g/1000kg(3ppm)程度である。人間の目で見て金と分るには30g/1000kg(30ppm)程度の濃度が必要[要出典]で、それ以下の金山では鉱石内に金があることを人間の目で見分けることはほとんどできない。

沖積層の鉱床では砂鉱床採掘が用いられ、堅い岩の鉱脈では金属抽出が用いられる。金の精製を完了するには塩素処理または電解精錬を用いる。海水中には前述の通り金が含まれているが、2005年現在採算の取れる抽出方法は見つかっていない。

1880年代から南アフリカが金産出の2/3を占めていたが、2004年時点では1/3まで比率が低下した。ヨハネスブルグが世界で最も多くの金を産出する都市と言われている[誰?]オレンジ自由州トランスバール州にある金鉱山は世界で最も深く掘られた鉱山となっている。1899年から1901年までのボーア戦争イギリスボーアの鉱山労働者の権利と、南アフリカの金の所有権に関する争いである。その他の主な金の産出地としてはロシアカナダアメリカオーストラリア西部にある。

日本ではかつて、比較的多く金が産出した。マルコ・ポーロ東方見聞録などで「黄金の国」と呼ばれていたのも、日本産の金が出回っていたからである。しかしながら、江戸時代前期、すなわち寛永年間以降は国産の金山は徐々に衰え始めた。たとえば有名な佐渡金山もすでに採掘をやめ、現在は観光地化している。大正・昭和初期の頃には東洋一の金山と言われた北海道の鴻之舞金山は採算ベースに乗る金を全て掘り尽くし1973年(昭和48年)に閉山。現在では、辛うじて1985年(昭和60年)から菱刈鉱山が採掘されるなどのみである。この一方、現在海底の熱水鉱床からの産出が将来的に期待されている。

[編集] 産出国

2004年の金産出国ランキング上位10カ国は下記のとおり。数値は産出量(キログラム)、世界シェア(出典:アメリカ合衆国内務省「ミネラル・イヤーブック2004」)。南アフリカ共和国では、Witwatersrand地方 () に先カンブリア時代に形成された鉱山が集中している。金鉱床は約400kmに及ぶ露頭に沿っている。金の生産は安定しており、年度ごとの増減は少ない[3]。南アフリカ共和国での電気供給不安などのサプライ懸念がある上に、新規の鉱山開発などが年々難しくなっており、実際に過去10年の供給量は微減しているとも言われる(ワールドゴールドカウンシル発表)。

  1. 南アフリカ共和国 341,485 (14.1%)
  2. オーストラリア 259,000 (10.7%)
  3. アメリカ合衆国 258,000 (10.6%)
  4. 中華人民共和国 215,000 (8.8%)
  5. ペルー 173,219 (7.1%)
  6. ロシア 169,273 (7.0%)
  7. カナダ 128,504 (5.3%)
  8. ウズベキスタン 93,000 (3.8%)
  9. インドネシア 92,936 (3.8%)
  10. パプアニューギニア 73,000 (3.0%)
  11. ガーナ (2.0%)

(参考)日本 8,021 (0.3%)、世界合計 2,440,000kg

[編集] 化合物と同素体

塩化金(AuCl3)と塩化金酸HAuCl4)は最も有名な金化合物の一つである。金を含む化合物は多くの場合、金原子は金(I)(1価金)または金(III)(3価金)の酸化状態として存在する。金イオンは1価、3価ともにソフトな酸であり、ソフトな塩基錯体を形成しやすい。またフッ素との反応では5価の酸化状態もとり、5フッ化金(AuF5)を形成する。さらに金疹とよばれる Auアニオンを含む CsAu 、 RbAu およびテトラメチルアンモニウム金(CH3)4N+ Au)化合物を形成する。これは水素化ナトリウムにおけるヒドリドのように、主に非金属元素がとる −1価と同形式のものである。

これまで合成された金の化合物の種類は同族の銀や銅とくらべると少ない。下記に主な化合物を列挙する。

[編集] 同位体

詳細は「金の同位体」を参照

[編集] 毒性

単体の金は化学的反応性が低い金属であるが、必須ミネラルであるカルシウムカリウム、鉄等と異なり健康な人体には必須な元素ではないとされている。金イオンは安定な単体の金(0)とは異なり酸化力が強く、無機金塩類は毒物及び劇物取締法等により劇物に指定されている。また、一部の有機金塩類は自己免疫疾患を抑えるのに有効であり、日本ではリウマチ性関節炎に有効な治療薬(ミオクリシン、オーラノフィン等)が医療保険適用として薬価収載されている。金剤によるリウマチ治療は「クリソテラピー」と呼ばれる。

金をイオン化するには王水(濃塩酸濃硝酸とを3:1の混合液)に金を溶かすのが最も有名な反応である。このイオン化状態の金は安定な単体の金(0)とはまったく異なり強力な酸化力がある。金による中毒(金中毒)としては接触皮膚炎、接触アレルギーがあげられる。これらは単体の金の装飾品を皮膚につけることによって起こるものであるが、装飾品から溶解した微量金イオンに対してアレルギーが形成された人のみに見られる。金化合物によるアレルギーとしては腎臓障害・肝臓障害・貧血等がみられる。

金中毒の解毒剤としてはジメルカプロール(HSCH2CHSHCH2OH)が使われる。ジメルカプロールは金と安定な錯体を形成して、速やかに体外に除去する働きをもつ。

[編集] 日本にある金の総量

2008年1月現在、日本に「地上資源」ないし「都市鉱山」として存在する金は約6800トンで、これは全世界の金の現有埋蔵量の約16パーセントにも及ぶ量である(物質・材料研究機構「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」)。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 「かんのなのわのこくおう」と読む。国宝
  2. ^ T. Ishida, M. Haruta, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 7154.
  3. ^ 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (World Metal Statistics) PDF

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ
ウィクショナリー
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[編集] 外部リンク

1元素周期表18
1H21314151617He
2LiBeBCNOFNe
3NaMg3456789101112AlSiPSClAr
4KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
5RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe
6CsBa*HfTaWReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
7FrRa**RfDbSgBhHsMtDsRg...
*LaCePrNdPmSmEuGdTbDyHoErTmYbLu
**AcThPaUNpPuAmCmBkCfEsFmMdNoLr

 1  2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18 

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